スタンダップコメディからデザイナーが学ぶ7つのこと

Posted by mai on 2011年5月18日 under design, memo |

アメリカの大手デザイン会社Pentagramの創設者、Michael Bierutが書いた記事から。
コメディアンとデザイナーという関連性が面白かった。

【ざっくり訳】
HBOのスペシャル番組 “Talking Funny” ー トップレベルのコメディアン4人がカメラの前でシンプルに話をするトークショーだった。笑いがある。しかし、もっと興味深いのは、その笑いがどのように出来ているかということ。スタンダップコメディはリスクのあるクリエイティブなビジネスである。彼らの会話の中にデザイナーにも共通する7つのことを見つけた。
ちなみに、面白くなるための共通点ではないことを先に言っておく。

1すべては基本
番組のはじめに、「ジョークが大好きだ」と口を揃える。「なぜなら、ジョークは笑いの建物の集合体みたいなものだから。ジョークは言い方次第だって思ってる人が多いけど、ユニークな個性、へんてこなサングラス、奇抜な声… 様々な要素が入って成り立っている。」
デザインにも基本構造みたいなものがある。大きさ、形、階層、コントラスト。まずはこれらを正しく見極めなくてはならない。

2基本をマスターしたら、自分のものにする
「これ!ってものを持ってないといけないと思う?」「何かしらはないといけないね。」
成功しているコメディアンはそれぞれの色がある。人々がぱっと思いつく確立されたそれぞれのアイデンティティを持っているのである。
デザインも同じ。ひとつのお題に幾通りのデザインがあるだろう。いいデザイナーは良い問題解決者であり、無理難題を解決する”何か”を見つけられる人でもある。

3相手を思いやる
「多くのコメディアンはいいものを持ってる。でもそれがウケない理由は観客が根拠を理解できていない時だ。もしその根拠をちゃんと設定すれば、必ずウケる」
デザインを目指す学生達に時々言うことがある。それはデザインには歓迎するムードが必要だと。相手に「私のために!」と思ってもらえること、そして、それをデザインに落とし込むこと。いいデザインをいうのはいいコメディみたいなもので、驚きがある。しかし、何もないところからは驚きはうまれない。わかりやすい根拠が必要なのである。もし、相手への敬意があるなら、根拠を明確にしなければいけない。

4自分の道具を知る
スタンダップコメディの道具は言葉である。いつでも使える言葉もあれば、たまに使った方がいいパワフルな言葉もある。言葉のひとつひとつが武器になる可能性を秘めている。
あなたが好きなツールはなんだろうか。タイプフェイス、フォトショップエフェクト、色の組み合わせ…

5自分の技能に誇りをもって
彼らは、ともすれば簡単に転げ落ちてしまうような世界で努力し、チャレンジし続けている。毎年再構築した単独ショーを開いたり、時には自分の得意分野を封印してはじめから全く新しいスタイルのショーをしてみたり。「ただ面白くいればいいんじゃない。自分のやってることに誇りを持って、他の人がやってないことをやってみたりする。」その道に精通するということは常に己の成長と隣り合わせなのである。「テクニックだけに頼っている時ほどナーバスになる。技術はステージをこなすためには役に立つが、自分にとって重要な何かというわけじゃない。」「簡単な笑いや、安い笑いはいらない。」
デザインもしかり。技術がだけあればいいというものではない。技術は磨いたほうがいいが、ただそれはあなたにとって重要な何かの一端でしかないということである。

6失敗を恐れない
良いコメディアンは定期的に実験を繰り返す。リスクをかかえながら新しいジョークを試したりする。観客の前で実際に何がウケて何がウケないかを探るために、彼らは小規模のステージからそれを小出しにして磨きをかけていく。時には500を数える時もある。一回目から成功することが目的ではないのだ。
デザイナーも同じようなリスクを背負っている。新しいことを試す時、確実に結果がでるとは限らない。しかし、クリエイティブなフィールドにいる誰にとっても、それは前に進むための唯一の方法なのである。

7最後に、自分には特別な能力があることを忘れないように
「僕たちは人を笑う気分にさせて、人はそれにお金を払う。もし、彼らが自分で自分を笑わせることが出来てしまったらどうなるだろう?って考えたことはある?」「みんなできるさ。」「じゃあ、なぜ彼らはお金を払って笑うのだろう?」「僕たちはプロだ。サッカーゲームは誰でもできるけど、NFLでプレーはできない、それと同じじゃないだろうか。」
何年か前に比べると今や、誰でも比較的簡単にデザインできるツールが手に入る時代。グラフィックデザインは誰でも出来るようになったと思うでしょう?しかし、プロだからこそわかることがある。その自信が自分の所在を明らかにするものとなるのである。

誰でも得意なことがある。それが何であれその自分の能力に感謝し、他者のそれに対する敬意も忘れてはいけない。

- 【原文】Seven Things Designers Can Learn from Stand Up Comics